相殺

 「アイサツ」ではなく、「ソウサイ」と読みます。

 A会社とB会社が互いに相手方にたいして同種の債権を持っている時、A社がB社に100万円、B社がA社に80万円の金銭債権を有しているとき、100万円と80万円をやり取りするのではなく、対当額だけ差引きして消滅させ、差額の20万円についてA社がB社に対して金銭債権を有する形にする方法。

 これは互いに別々に金銭を取り立てる不便さを解消すると共に不公平を無くすることを目的とする。

 例えばB社が破産した場合、A社はB社の破産管財人に対して債務全額の80万円を支払わなければならないが、A社がB社に貸付けた100万円は一般債権となって他の債権者と按分してB社資産の処分金から配当弁済を受けることになる不公平が生ずる。

 この相殺を行なうためには、双方の債権が同種の債権で弁済期にある必要がある。弁済期が到来していない場合は期限の利益(この場合相殺日以降の受取利息の放棄)を行なうことによって相殺できる。

掲載1999/12/29